「ビタミンB群サプリで抜け毛は減る?ビオチンとかB6が“髪にいい”って聞くけど、結局どうなの…?」
抜け毛が気になり始めると、サプリの棚の前で長考しがちです。忙しくても買えて、飲むだけ。そりゃ期待したくなりますよね(でも、期待値の置き方を間違えると“お金も不安も増える”パターンに入ります)。
結論:ビタミンB群は髪の材料(たんぱく質)を使う代謝や、細胞の働きの“補助役”です。だから不足している人なら、整える価値はあります。一方で、健康な人の抜け毛がビタミンB群サプリで確実に減るとまでは言いにくく、特に「ビオチン(ビタミンB7)」は健康な人での有効性を示す研究が乏しいとするレビューもあります。

- ビタミンB群サプリで抜け毛が減る「可能性があるケース/薄いケース」
- ビオチン・ビタミンB6など、B群の“髪との関係”を根拠ベースで整理
- 失敗しにくい選び方(成分量・重複・注意点・検査干渉)
- 見直す順番(食事→生活→検査→治療)
- 受診目安(危険サイン/AGAの切替ライン)と次の一手
先に安心してほしいのは、「サプリを飲まない=終わり」ではないこと。抜け毛の原因は複数なので、順番を間違えずに攻めればOKです。
ビタミンB群サプリで抜け毛は減る?まず結論の“期待値”を図で掴む
ビタミンB群サプリの期待値は、あなたの状況で大きく変わります。
【期待値の目安(ざっくり)】 明らかな不足リスクあり(偏食/極端なダイエット/吸収不良/妊娠・授乳など) ████████ 高め 不足は不明だが食生活が荒れている(外食続き/タンパク質少なめ) █████ 中くらい 食事は普通・薄毛が進行パターン(生え際/頭頂部・細毛化) ██ 低め(サプリ単独は期待薄)
この後の「根拠」パートで、なぜそうなるのかを分解します。
ビタミンB群と抜け毛の関係(根拠):そもそもB群って何をしてる?
1)ビタミンB群は“髪の材料”ではなく、材料を回す「補助役(補酵素)」
髪の主成分はたんぱく質(ケラチン)です。ビタミンB群は、そのたんぱく質や脂質、糖質の代謝を助けて、細胞が動くためのエネルギーづくりにも関わります。たとえばビタミンB1(チアミン)はエネルギー代謝に重要、といった位置づけが公的なファクトシートでも説明されています(=B群は土台づくり側)。
だから「B群を飲めば髪が増える」というより、不足しているなら“髪が作られる環境が詰まる”のを解消できる、というイメージです。
2)「抜け毛が減る」より「抜け毛の原因の一部を潰す」が正確
抜け毛の背景には、
- AGA(男性型・女性型脱毛症)
- 休止期脱毛(ストレス・体調変化・栄養不足など)
- 頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎など)
- 薬剤・病気・甲状腺など
などがあり、サプリで全部は解決しません。栄養不足が関与しているタイプなら、ビタミンB群も“候補”になります。
3)ビオチン(ビタミンB7)は「欠乏なら脱毛」だが、欠乏自体は“稀”
ビオチン欠乏の症状として「脱毛」が挙げられます。一方で、国立機関のファクトシートではビオチン欠乏は稀で、通常の食事をしている健康な人で重い欠乏は報告されていない、と整理されています。さらに、ビオチンの髪・皮膚・爪への宣伝は多いものの、根拠は症例報告や小規模研究が中心とも説明されています。参照(NIH ODS:Biotin Fact Sheet)
また、2024年のレビューでは、健康な人でビオチン補充が髪に有益だと示す研究はない、という整理もされています。参照(Biotin for Hair Loss: Teasing Out the Evidence, 2024)
4)「生卵白身の食べすぎ」はビオチン吸収を邪魔し得る(でも普通の量なら過度に怖がらない)
ビオチンの話でよく出るのが「生卵」。ファクトシートでは、生卵白身に含まれるアビジンがビオチンと強く結合して吸収を妨げ、加熱で影響が減ると説明されています。参照(NIH ODS:Biotin Fact Sheet)
ただし、ここを必要以上に恐れて「卵禁止!」にするのは逆効果になりやすいです。普通に加熱した卵は、むしろたんぱく質やビタミンB群も摂りやすい食材です。
5)ビタミンB6は“皮脂・代謝”の文脈で語られやすいが、サプリは量に注意(神経障害のリスク)
ビタミンB6はたんぱく質代謝などに関わるため、髪文脈で紹介されがちです。ただしサプリで問題になり得るのは高用量の長期摂取です。
公的ファクトシートでは、ビタミンB6を長期間・高用量(g単位など)摂取すると感覚性ニューロパチー(末梢神経障害)を起こし得ること、そして成人の耐容上限量(UL)を設定していることが説明されています。参照(NIH ODS:Vitamin B6 Fact Sheet)
「水溶性=いくら飲んでも安全」ではありません。B群は“重複”もしやすいので要注意です(後で選び方で具体化します)。
6)葉酸(ビタミンB9)は細胞分裂の土台。ただし過剰はB12欠乏を隠すことがある
葉酸はDNA合成などに関わり、細胞分裂が盛んな部位(毛を作る細胞も含む)の土台側です。ただしサプリで高用量に寄せると、ビタミンB12欠乏の発見を遅らせる可能性(マスク)がある点が公的ファクトシートでも触れられています。参照(NIH ODS:Folate Fact Sheet)
「とりあえず葉酸多め」は、髪目的だと方向性がズレやすいので注意。
7)ナイアシン(ビタミンB3)は高用量で紅潮(フラッシュ)などが起き得る
ナイアシンはエネルギー代謝に関与しますが、サプリの高用量では皮膚紅潮(フラッシュ)などの副作用が知られ、形式によって出方が違うことも公的ファクトシートで説明されています。参照(NIH ODS:Niacin Fact Sheet)
抜け毛目的のB群で、ナイアシンがやたら多い製品を選ぶ必要は通常ありません。
8)「栄養が原因の抜け毛」は“時間差”が出やすい:今日飲んで明日止まるタイプではない
栄養不足や体調変化が関わる抜け毛(休止期脱毛)は、きっかけから時間差が出ることがあります。栄養のレビューでも、栄養欠乏が疑われるなら病歴・食事歴・診察でリスクを見て、必要なら検査、リスクがなければ過剰な検査は必須ではない、という整理がされています。参照(Diet and hair loss: effects of nutrient deficiency and supplement use, 2017)
つまり、サプリの正しい期待値は「短期の抜け毛ストップ」ではなく「数週間〜数か月の土台整備」です。

具体策(手順):ビタミンB群サプリの“選び方”と見直す順番
ここからは、忙しい人でも迷いにくいように手順化します。ポイントは「買う前に、まず“不足リスク”を点検」です。
STEP1:あなたは「不足リスク高め?」チェック(当てはまるほどサプリの意味が出やすい)
- 極端なダイエット(糖質カット・断食系)をしている
- 外食・コンビニが続き、野菜・たんぱく質が少ない
- 胃腸が弱く、下痢や吸収不良っぽい症状がある
- 妊娠・授乳(ビオチンは妊娠・授乳で“周辺値が下がりやすい”可能性が示唆されている)参照(NIH ODS:Biotin)
- 慢性的な飲酒(ビオチンの吸収を妨げ得る)参照(NIH ODS:Biotin)
- 菜食寄り・高齢・胃薬や糖尿病薬などでB12が心配(B12は吸収要因で不足することがある)参照(NIH ODS:Vitamin B12)
当てはまらない場合、B群サプリの優先順位は下がりやすいです(その分、別の対策が効きやすい)。
STEP2:サプリを選ぶなら「低〜中用量のBコンプレックス」から(盛りすぎない)
ビタミンB群サプリは、製品によって含有量がバラバラです。髪目的で大事なのは“過不足の調整”で、高用量を長期で固定することではありません。
| 見るポイント | おすすめの考え方 | 理由 |
|---|---|---|
| 成分量(特にB6) | むやみに高用量を選ばない/複数製品の重複を避ける | B6は高用量の長期摂取で神経障害リスクが示されている (NIH ODS) |
| ビオチン量 | 高用量であるほど“髪に効く”ではない | 健康な人で有益な研究が乏しい整理がある (2024レビュー) |
| 葉酸×B12のバランス | 葉酸だけ突出して多い製品は避ける | 葉酸の過剰がB12欠乏を隠す可能性 (NIH ODS) |
| 他サプリとの重複 | マルチビタミン、エナドリ系、栄養ドリンクも含めて合算 | B群は色々に入っていて“盛られがち” |
「まずは3か月だけ、低〜中用量で様子を見る」くらいが、失敗しにくい現実ラインです。
STEP3:ビオチンを飲むなら“検査干渉”を必ず知っておく(超重要)
ここは声を大きくします。
ビオチン(高用量)は、血液検査などの一部の検査結果に干渉して誤った結果を出すことがあります。FDAはビオチンが検査に干渉し得ること、特に心筋梗塞の評価で使われるトロポニン検査などで問題になり得る点を注意喚起しています。参照(FDA:Biotin interference)
NIHのファクトシート側でも、検査干渉について触れられています。参照(NIH ODS:Biotin)

STEP4:見直す順番は「食事 → 睡眠 → 生活 → 検査 → 治療」が基本
ビタミンB群だけに集中すると、抜け毛の全体像を外しやすいです。おすすめの順番はこれ。
- 食事:たんぱく質(卵・魚・肉・大豆)+野菜を最低ライン確保
- 睡眠:就寝時刻を固定、まずは30分早くする
- 生活:飲酒・喫煙・極端ダイエットを見直す
- 検査:不足リスクが高いなら医師に相談し、必要なら採血で確認
- 治療:AGAパターンなら、サプリより治療の方が“効く確率”が高い
特にAGAは、思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症として診療ガイドラインでも整理されています。参照(日本皮膚科学会:AGA診療ガイドライン2017)
受診目安:ビタミンB群サプリで粘るか、医師に切り替えるかの判断基準
サプリで様子見しやすいケース(まずは生活+低〜中用量でOK)
- ここ1〜2か月の忙しさで食生活が荒れた自覚がある
- 抜け毛は気になるが、写真で進行(生え際・頭頂部の薄さ)ははっきりしない
- 頭皮の痛み・強い炎症はない
この場合は「3か月の立て直し期間」を作って、食事と生活の再現性を上げるのが先です。
医師に相談した方が早いケース(不足の検査 or 薄毛の診断)
- 生え際・頭頂部が薄くなってきた(いわゆるAGAパターン)
- 髪が細く短くなった(細毛化)が気になる
- 抜け毛が増えた感じが2〜3か月以上続く
- 円形に抜ける/頭皮が赤く痛い/かゆみやフケが急増など、頭皮トラブルが強い
- 極端な食事制限、貧血っぽさ、強い疲労など「体のサイン」もある
相談先は一般皮膚科でもOKですが、AGAっぽい(生え際・頭頂部・細毛化)なら、最初からオンラインAGAクリニックの無料カウンセリングを使うのも合理的です。薄毛の切り分けが早く、無料で相談できるなら使わないともったいないタイプです。

よくある質問(FAQ)
Q1. ビタミンB群サプリは、どれくらいで抜け毛が減りますか?
不足が原因に絡んでいる場合でも、髪は即反応しにくいので、最低でも8〜12週間くらいのスパンで様子を見る方が現実的です。今日飲んで明日止まるタイプではありません。
Q2. ビオチンは髪にいいって聞いたのに、意味ないんですか?
ビオチン欠乏では脱毛が起こり得ます。一方で、ビオチン欠乏自体は稀と整理されており、健康な人での有益性は研究が乏しい、というまとめがあります。(NIH ODS) (2024レビュー)
つまり「欠乏なら意味がある可能性」「欠乏がないなら期待しすぎない」が答えです。
Q3. ビタミンB群は水溶性だから、たくさん飲んでも安全?
一概にそうとは言えません。たとえばビタミンB6は高用量の長期摂取で末梢神経障害のリスクが示され、耐容上限量(UL)も設定されています。参照(NIH ODS:Vitamin B6)
「いろんなサプリやドリンクで重複している」状態が一番危ないので、合算してください。
Q4. どの製品を選べばいい?“これ買っとけ”はありますか?
個別の製品名より、失敗しにくい条件はこれです。
- B6が極端に高用量じゃない
- 葉酸だけ突出していない(B12とのバランスも意識)
- 他サプリ・栄養ドリンクとの重複を避けられる
- まずは3か月だけ試して、生活(食事・睡眠)も同時に直す
Q5. ビオチンを飲んでると健康診断で困る?
困る可能性があります。FDAはビオチンが一部の検査に干渉することを注意喚起しており、トロポニン検査などで問題になり得ます。採血前は必ず申告してください。参照(FDA)
Q6. 食事でB群を増やすなら何が手っ取り早い?
“髪目的”なら、B群だけでなくたんぱく質も一緒に入る食材が効率的です。
- 卵(基本は加熱)
- 魚、肉、大豆(納豆・豆腐)
- 乳製品(ヨーグルトなど)
- レバー(好みが合えば)
逆に「菓子パン+コーヒー」だけの日が続くと、B群以前に土台が揺れやすいので、まずそこから立て直すのがおすすめです。
まとめ
- ビタミンB群サプリで抜け毛は減る?→不足がある人には意味が出やすいが、健康な人で確実に減る根拠は限定的
- ビオチンは欠乏で脱毛があり得る一方、欠乏は稀で、健康な人での有益性は乏しい整理がある
- サプリは“盛る”より“整える”。特にB6の高用量長期・重複は避ける
- ビオチンは検査干渉があるので、採血予定があるなら必ず申告(FDA注意喚起)
- AGAパターン(生え際・頭頂部・細毛化)や長期化は、サプリより医師で切り分けが早い。無料のオンラインAGAクリニック相談も有力
次に読む(あなたの状況別)
- 生活習慣:食事・睡眠・飲酒の乱れが続いている。まず“抜け毛が不安になりにくい生活”を作りたい
- AGAの基礎:生え際・頭頂部の薄さや細毛化が気になる。AGAの見分け方と進行パターンを整理したい
- AGA治療:サプリだけでは不安が消えない。治療の全体像(内服薬・外用薬)を先に知っておきたい
- 頭皮の悩み・ケア:かゆみ・赤み・フケが強い。抜け毛より先に頭皮トラブルを落ち着かせたい
- よくある疑問:食べ物・飲み物・サプリの噂を、根拠ベースでまとめて不安を減らしたい
この記事の根拠(一次情報中心)
- NIH Office of Dietary Supplements:Biotin Fact Sheet(欠乏の稀さ、髪への根拠の限界、アビジン、検査干渉)
- Yelich A, et al. Biotin for Hair Loss: Teasing Out the Evidence (2024)(健康な人での有益性の限界)
- FDA:Biotin Interference with Troponin Lab Tests(検査干渉の注意喚起)
- NIH Office of Dietary Supplements:Vitamin B6 Fact Sheet(高用量長期による神経障害、UL)
- NIH Office of Dietary Supplements:Folate Fact Sheet(過剰とB12欠乏のマスクなど)
- NIH Office of Dietary Supplements:Niacin Fact Sheet(高用量のフラッシュ等)
- NIH Office of Dietary Supplements:Vitamin B12 Fact Sheet(欠乏の要因・吸収の問題)
- Guo EL, Katta R. Diet and hair loss (2017)(栄養評価とサプリの位置づけ)
- 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017(AGAの位置づけ)


