「シャンプーを変えたら、急に抜け毛が増えた気がする…これってまずい?」
排水口や枕の毛を見て、焦る気持ちは自然です。とはいえ、“シャンプーが原因で増えた”と決めつける前に、時期と症状で切り分けるだけで、次の一手はかなり整理できます。
結論から言うと、シャンプー変更と抜け毛増加が同時に起きても、原因は大きく①見え方(誤判定)②洗い方の負担③頭皮トラブル(かぶれ・湿疹)④たまたま重なった休止期脱毛⑤AGAなど別要因に分かれます。あなたが今すべきことは「戻す/続ける/受診」を、根拠のある順番で判断することです。

- シャンプー変更後の抜け毛が「危険かどうか」の判断軸
- “増えたように見える”誤判定(濡れ髪・照明・分け目など)の外し方
- 時期×症状での原因の切り分け(かぶれ/フケ/休止期脱毛/AGAなど)
- 今日→1週間→1か月→3か月でやること(戻す/続ける/受診)
- 皮膚科受診の目安と、医師に伝えるとスムーズなメモ
まずは「今の状態がどのパターンに近いか」を当てはめて、手順どおりに動きましょう。
シャンプーを変えたら抜け毛が増えた:まず結論(最短の切り分け)
抜け毛は毎日ゼロではなく、目安として1日おおよそ100本程度までは起こり得ます(個人差・季節差・ヘアケアでも変動)。また毛には毛周期があり、休止期は2〜3か月続きます。つまり「今日の抜け毛」は、今日だけで決まらない面もあります。
そこで、最短で切り分けるなら“時期”で見ます。下の早見表で、あなたの状況に近い列から読んでください。
| シャンプー変更からの時期 | 起こりやすいこと | 見分けポイント | まずの行動 |
|---|---|---|---|
| 直後〜数日 | “増えた気がする”/洗い方の変化 | 濡れ髪・照明・短髪直後・分け目固定で目立つ/ゴシゴシ洗いになっていないか | 記録を開始(後述)+洗い方を優しく修正 |
| 1週間〜1か月 | 頭皮トラブル(刺激・かぶれ)や乾燥・フケ | かゆみ、赤み、ヒリつき、フケ増、ベタつき/洗髪直後に悪化 | 疑わしければ使用中止+刺激を減らす(必要なら皮膚科) |
| 2〜3か月前後 | 休止期脱毛(ストレス/発熱/体重減など) | シャンプー変更より前の出来事が引き金になりやすい/全体的にドサッと増える | 2〜3か月前のイベント確認+長引くなら受診 |
| じわじわ数か月以上 | AGAなど進行性の薄毛が背景にある場合 | 生え際・頭頂部の変化、細い毛が増える、セットが決まらない | シャンプー以外の軸(診断・治療)も検討 |
次は「本当に増えているのか?」を落ち着いて確かめます。ここを飛ばすと、合わない対策を続けやすいです。
まずは“増えたように見える”誤判定を外す(ここが最重要)
シャンプーを変えたタイミングで抜け毛が気になり始めると、観察が鋭くなって“増えた”と感じやすいです。さらに、次の条件は見え方を変えます。
- 照明:上からの強い光は地肌が透けて見えやすい
- 濡れ髪:束になって地肌が出やすい(乾くと戻ることも)
- 分け目固定:同じ所に負担がかかり、見た目が薄く見える
- 短髪直後:床や排水口で毛が目立つ(長さで“量”の印象が変わる)
- 季節要因:時期によって抜け毛の体感が変わることがある

7日でできる「抜け毛の見える化」
- 写真は同条件:同じ場所・同じ照明・同じ距離で、分け目(生え際/頭頂部)を撮る(濡れ髪は避ける)
- 排水口だけを比較:毎日数えるのは難しいので、「塊の大きさ」を同じ基準で見る
- ブラッシング回数を固定:日によって回数が違うと比較にならない
- 分け目を1〜2cmずらす:固定をやめるだけで“薄く見える”が改善することもある
ここまでやって「やっぱり増えている気がする」なら、次は原因の切り分けに進みます。
時期×症状で原因を切り分ける(シャンプーが原因とは限らない)
前提:抜け毛=すべて“毛根が死んだ”ではない
髪は毛周期で生え替わります。休止期は2〜3か月続き、その後に自然に抜けることがあります。さらに、増えて見えるものの中には切れ毛(途中で切れた毛)も混ざります。対策が変わるので、まず「毛根の白い丸(毛球)」の有無も参考にしてください(ただし個人差があります)。
パターンA:かゆみ・赤み・ヒリつきがある → 接触皮膚炎(かぶれ)など
新しいシャンプーやコンディショナー、整髪料などが刺激になったり、アレルギー反応で湿疹(接触皮膚炎)を起こすことがあります。接触皮膚炎は、外から触れた物質が原因で起こる湿疹性の炎症反応として説明されています。
このパターンは「我慢して慣れる」より、原因との接触を断つことが基本です。接触皮膚炎は原因を確定し接触を断てれば根治が期待できる、とガイドラインでも述べられています。
パターンB:フケ(脂っぽい/湿った)+かゆみ → 脂漏性皮膚炎など
フケやかゆみ、ベタつきが目立つ場合、脂漏性皮膚炎など頭皮の炎症が背景にあることがあります。頭皮の炎症が強いと、掻く・こする刺激も増えて抜け毛が増えたように感じやすいです。
フケ・かゆみが続くなら、自己流でシャンプーを渡り歩くより、皮膚科で状態を見てもらうほうが早いこともあります。
パターンC:症状は特にないのに“全体的にドサッ” → 休止期脱毛の可能性
強いストレス、発熱を伴う体調不良、急な体重変化、手術などの「出来事」が引き金になり、2〜3か月後に抜け毛が増えるタイプがあります(休止期脱毛)。この場合、シャンプー変更と同時期に見えても、原因は「もっと前」にあることがあります。
パターンD:生え際・頭頂部がじわじわ、細い毛が増える → AGAなど別要因
シャンプーでAGAが治る・止まる、と断定はできません。AGAは進行性の脱毛症で、診療ガイドラインも整備されています。見た目の変化が“数か月単位で続く”場合は、シャンプーだけに原因を絞らず、診断という選択肢も持っておくと安心です。
パターンE:洗髪時だけ増える/毛が短く折れている → 洗い方・摩擦・絡まり
シャンプー変更で「泡立ち」「きしみ」「指通り」が変わると、無意識に力が入りやすいです。すると、
- 爪を立てる
- 頭皮をこする回数が増える
- 絡まりを引っ張る
などで、抜け毛・切れ毛が増えたように見えます。ここは洗い方の修正で改善しやすいゾーンです。
戻す?続ける?今日からの具体策(順番どおりに)
ここからは「行動」を決めます。おすすめは今日→1週間→1か月→3か月で区切ることです。
今日:まず“危険サイン”をチェック(あれば中止が基本)
次のどれかがあるなら、シャンプーが合っていない可能性があるのでいったん使用を中止し、刺激の少ないケアへ切り替えます。
| サイン | 意味合い | 優先行動 |
|---|---|---|
| 強いかゆみ・赤み・ヒリヒリ | かぶれ(接触皮膚炎)などの可能性 | 使用中止+早めに皮膚科相談 |
| 湿った大量のフケ、ベタつき | 脂漏性皮膚炎などの可能性 | 悪化が続くなら受診 |
| ジュクジュク、痛み、腫れ | 炎症が強い状態の可能性 | 自己判断で続けず受診 |
| 円形に抜けた、眉や体毛も抜ける | 別の脱毛症の可能性 | 皮膚科へ |
今日:洗い方を“抜け毛が増えにくい型”に戻す
- 予洗い:ぬるめのお湯で1分(ここで汚れの多くが落ちる)
- 泡立て:手で泡立ててから頭皮へ(直付け→ゴシゴシを避ける)
- 洗う:爪ではなく指の腹。円を描くように短時間
- 流す:洗う時間の2倍を目安にしっかり
- 乾かす:頭皮を優先して、こすらずタオルドライ→ドライヤー
1週間:記録して“本当に増えているか”を判定
「7日でできる見える化」を続けます。ここで、体感が落ち着くなら“誤判定”や“洗い方”が主因だった可能性が上がります。
抜け毛の体感(例) 初日 ██████████ 不安MAX 3日目 ████████ 7日目 █████
1か月:戻す/続けるの判断ライン
かゆみ・赤みがある場合は、基本的に「続けて様子見」より中止→皮膚科が安全です。
一方で、症状がなく「量の体感」だけなら、洗い方を整えた上で2週間〜1か月を目安に変化を見て、
- 改善傾向:同じ条件で継続(いじりすぎない)
- 横ばい〜悪化:元のシャンプーに一度戻す/他要因(睡眠・体調・ストレス)も点検
という流れが現実的です。

3か月:休止期脱毛やAGAも視野に入れる
もし「シャンプーを変えた直後」ではなく、2〜3か月前に体調不良や強いストレスなど心当たりがあるなら、休止期脱毛の線も考えます。原因を整えても3か月以上抜け毛の波が続く、または見た目の薄さが進むなら、皮膚科で相談すると安心です。
受診の目安:皮膚科に行くライン(迷ったらここ)
次のいずれかに当てはまるなら、セルフケアの範囲を超えている可能性があります。不安を抱えたままシャンプーを変え続けるより、診断で短縮できることもあります。
- かゆみ・赤み・痛み・ジュクジュクがある
- 抜け毛が急増して、2〜4週間たっても減る気配がない
- 円形に抜ける、生え際/頭頂部だけが進む、細い毛が増える
- フケ・ベタつきが強く、市販のケアで悪化する
- 睡眠・体調・食事を整えても3か月以上つらい
受診時は、次のメモがあると話が早いです。
- シャンプー変更日(だいたいでOK)
- 症状(かゆみ/赤み/フケ/痛み)と出たタイミング
- 2〜3か月前の出来事(発熱、強いストレス、体重変化など)
- 整髪料・ヘアカラー・パーマなど併用の有無

よくある質問(FAQ)
シャンプーを変えたら抜け毛が増えることはありますか?
あります。ただし「毛根が急に弱った」というより、洗い方の負担や頭皮の炎症(かぶれ・湿疹)、またはたまたま別の原因(休止期脱毛など)が重なった可能性もあります。時期と症状で切り分けるのが近道です。
どれくらい様子を見ればいいですか?
症状がない場合は、洗い方を整えた上で2週間〜1か月をひとつの目安に「体感の推移」を見てください。一方で、強いかゆみ・赤み・痛みがあるなら様子見より中止・受診が安全です。
元のシャンプーに戻すのはアリ?
切り分けとして有効です。戻して落ち着くなら「新しい製品が刺激になっていた」可能性が上がります。戻しても変わらない場合は、休止期脱毛やAGAなど「別要因」を疑う材料になります。
ノンシリコンにしたら抜け毛が増えた気がします
“ノンシリコンだから抜ける”と断定はできません。シリコンの有無より、洗浄力・使用感の変化で摩擦が増えた、あるいは頭皮に合わなかったなどが現実的です。きしみが強いなら洗い方とすすぎを見直し、それでもかゆみが出るなら中止を検討してください。
抜け毛の本数は何本から危険ですか?
目安として、1日おおよそ100本程度までは起こり得ます(個人差・季節差あり)。ただし、数そのものより増え方(急増)と見た目(薄くなっていく)、そして頭皮症状の有無が大切です。
かゆみとフケも出ました。どうしたらいい?
頭皮の炎症(接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎など)が疑われます。まずは刺激になり得る製品の使用を止め、悪化する・続くなら皮膚科へ。フケやかゆみが強いと、掻く刺激で抜け毛が増えたように感じやすいです。
受診するなら何科ですか?
皮膚科が基本です。頭皮の炎症、脱毛の型、必要に応じた検査(例:原因物質を探すパッチテストなど)を含めて相談しやすいです。
まとめ
- シャンプー変更と抜け毛増加が同時でも、原因は誤判定・洗い方・頭皮トラブル・休止期脱毛・AGAなどに分かれる
- まずは同条件で7日記録して“増えたか”を確かめる
- かゆみ・赤み・痛みがあるなら、我慢せず中止→皮膚科が安全
- 症状がないなら、洗い方を整えた上で2週間〜1か月で判断し、必要なら元に戻して切り分け
- 3か月以上続く・見た目が進むなら、シャンプー以外の要因も視野に
次に読む(あなたの状況別)
- かゆみ・フケ・赤みがある:頭皮トラブルの原因とケアを整理する
- ストレス・睡眠・食事も気になる:生活習慣から抜け毛の波を整える
- 生え際・頭頂部が気になる:AGAの基本(進行パターンと判断軸)を確認する
- 自己判断が難しい:治療の選択肢(医療)の全体像を知る
- 受診するならどこ?:クリニックの選び方・比較ポイントを見る
この記事の根拠(一次情報中心)
- 公益社団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A:脱毛症(抜け毛の目安・毛周期)
- 公益社団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A:接触皮膚炎(かぶれ)
- 日本皮膚科学会:接触皮膚炎診療ガイドライン 2020(PDF)
- 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017(PDF)
- American Academy of Dermatology:Hair shedding(正常範囲と過剰脱毛の考え方)
- 持田ヘルスケア:フケ・かゆみと頭皮トラブル(脂漏性皮膚炎など)
- Journal of the American Academy of Dermatology:Telogen effluvium(誘因後2〜3か月で起こり得る)


